長さで使う単位

長さの基本的単位は「1m」です。これは 1983 年に決められた 「1/299792458 秒の間に光が真 空中を伝わる行程の長さ」を言います。それ以前は『メートル条約』で決められた基準、つまり『北極 から赤道までの子午線の長さの 1/1 千万が 1 メートル』と決められていました。
1mの1000倍は1Kmです。PETフィルムの原反の長さは厚みによって異なりますが、だいたい 1000m~4000m(1Km~4 Km)です。
1mの1000分の1を1mmと呼ぶのは皆さんよくご存知です。



1mmの1000分の1を1μm(マイクロメートル)と言います。
以前はμと書いて「ミクロン」と読んでいま したが、SI単位系という国際単位では「マイクロメートル」と呼びます。「100μm厚」とかいう表現をよく聞かれると思いますが、これは人の髪の毛の太さと同じくらいです。
コーティング厚みでよく5μmと聞かれると思いますが、これはバクテリア5匹分程度です。

1μmの1000分の1を1nm(ナノメートル)といいます。「ナノテクノロジー」という言葉をよく耳にされると思いますが、この領域(サイズ)の科学技術のことです。タバコの煙の大きさが約100nmくらい です。



私たちの見ることができる可視光線の波長も400nm〜700nmと「nm」の単位です(下図参照)。
700nmより長いと赤外線といい、400nmより短いと紫外線と言います。人間の眼に最もよく感じるのは550nmの光なので、反射防止処理などでは、この波長での反射率を用います。



この他にインチ単位も使います。
1インチは25.4mmで、起源は人の親指の幅だそうです。コーティングで使用するインチの代表的なものの一つが、紙管(コア)のサイズです。6インチや3インチ、2インチが使われます。これは紙管(コア)の径の大きさです。

印刷で用いられる単位

またインクジェットの印字性能をあらわす時に dpi(ディー・ピー・アイ)を使います。
これは、1インチの中にいくつ点(ドット)を表現できるかということです。1200dpiでは 1インチの中に1200個ドットを打つことができます。
一方印刷では、120線とか150線などの表現をよく使います。これは1インチの中にスクリーンの線数が何本あるかということです。これだけ聞くと1200dpiの方が120線より解像度が高いように感じますがそれは違います。
1200dpiのプリンターで120線を出力すると、1辺について1200÷120=10ですから、一つの網点を10×10=100個のドットで表現することになります。簡単にいうと、1200dpiのプリンターで120線の画像を出力すると100階調(100個のドットのうち1個印字すれば1%、99個印字すれば99%になり100 個では100階調表現できる)でしか表現できません。

印刷やワープロでは文字の大きさを示すのにポイント(pt)という単位を用います。
1ptは72分の1インチで約0.35mmです。マイクロソフトのWordでは10.5ptが標準になっています。日本では写植などで用いていた級数というのが一般的でした。こちらでは1級が0.25mmです。

フィルムについては「ミル」という単位も使います。1ミルは1000分の1インチです。
75μm厚フィルム は3ミル、100μmは4ミルと言います。アメリカでは一般的にこのように表現されます。

シートなどのサイズの単位

A4やB5など、シート判などに使われるサイズの単位について。
A判もB判も縦横の比率は1:√2で同じです。A0の面積が1㎡なのに対してB0の面積が1.5㎡という違いだけです。
ですからA0は1189×841になっています。A0を半分にするとA1になりますがA1でも縦横の比率は1:√2になります。
このため設計製図材料のコーティング幅はだいたい1200mmということになります。



(参照:KIMOTO様「何となくわかるフィルム加工」)


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